2025年1月、南丹市美山町板橋に新たな癒しスポット「Earthing MIYAMA（アーシング ミヤマ）」がオープンしました。手がけたのは亀岡市在住のオーナー・長谷川直幹（はせがわ・なおき）さん。「蔵サウナのある宿」として、サウナ・BBQ・宿泊が楽しめる、自然と調和したプライベート空間です。
トレードマークのヤモリがかわいい
蔵サウナや母屋が並ぶ、1000坪の贅沢な敷地
外観は古民家そのものですが、室内は今風にリノベーション
屋号の「Earthing（アーシング）」とは、裸足で大地に触れ、体と地球をつなぐ健康法のこと。大自然に囲まれたこの場所で、サウナを通して“アーシング”を体感してほしいという思いから名付けられました。
敷地内には、築100年以上の蔵をリノベーションした「蔵サウナ」を中心に、母屋、受付棟、小屋、広い庭が点在。最大8名までのグループで貸切利用ができるため、他の利用者に気兼ねすることなく、ゆったりとした時間を過ごせます。
蔵サウナや母屋のほか、ロッカールーム、シャワールーム、清潔なトイレが揃い、車は10台まで駐車可能。すぐそばを清流が流れ、里山の自然が目の前に広がります。
門を出てすぐのところにある清流
日本で2台目&関西初！蓄熱式薪ストーブの「蔵サウナ」
「Earthing MIYAMA」の目玉は、築100年以上の蔵を活用したサウナ。日本で2台目、関西では初となる「蓄熱式薪ストーブ」を導入しています。
蔵をリノベーションしたサウナ
サウナ室内 写真提供：Earthing MIYAMA
蓄熱式薪ストーブは、約7時間かけて薪を焚き、石やレンガにしっかりと熱を蓄えます。サウナストーンの表面温度は約400℃、レンガは約200℃、内部は700℃に達し、じんわりとした輻射熱が体を芯から温めてくれます。
室温は85℃まで上がりますが、息苦しさはなく、まるで“温かい毛布に包まれている”ような感覚。会話もできるほど穏やかな熱で、長時間滞在できるのが特長です。
写真提供：Earthing MIYAMA
サウナ内では薪の追加はなく、2時間ほどかけてゆるやかに温度が下がる設計。体にやさしい“ととのい”体験が味わえます。
ディテールに宿る、温もりと歴史
こぢんまりとしたサウナ室内には、薪の香りとすすけた壁の質感が残り、趣ある雰囲気。400℃のロウリュで立ちのぼる蒸気は格別で、天然の土壁が優しく体を包み込みます。
蔵の入口にある彫り物は、そのまま生かされている
かつての蔵の雰囲気も随所に残されており、歴史を感じさせる落書きや道具の名残が味わい深い空間です。サウナ上部には、岩盤浴のような“おこもり感”たっぷりの休憩スペースがあり、まるで岩盤浴のような落ち着きで、思わず眠ってしまいそう。
おこもり感たっぷり！サウナ上部の休憩スペース 写真提供：Earthing MIYAMA
屋外には水風呂も完備。水温（18℃、14℃、10℃）は予約時に希望を伝えることで調整可能。冷蔵庫には自由に飲める水やドリンクが用意され、冷凍庫には冷えたサウナハットもあって至れり尽くせり！
なお、サウナ利用時は水着着用が必須となっています。
冷凍庫にはキンキンに冷えたサウナハットがスタンバイ！
利用者からは「いつもより汗をかくのが早く、量も多くて驚いた」「長居してしまうほど心地よく、会話も弾んだ」「里山の風景を眺めながらの外気浴がとにかく気持ちいい」「貸切だからまわりを気にせず、心からリラックスできた」など、満足度の高い感想が寄せられています。
現代的に生まれ変わった古民家の母屋
写真提供：Earthing MIYAMA
宿泊もできる母屋は、古民家ならではの趣を残しつつ、現代の快適さを備えた空間にリノベーション。キッチンは広く、使いやすいIHコンロを採用。お風呂やトイレも清潔で使いやすく、アメニティには無印良品の基礎化粧品が揃っています。
ガラス張りのおかげで明るく開放的になっている
部屋の仕切りは元々あった襖からガラスに変更。自然光が部屋の奥まで届き、どこにいても庭の景色を楽しめるよう設計されています。室内は広々とした印象で、滞在中もゆったり過ごせます。
「久米屋」のサウナを京都にも
このサウナの誕生には、岡山県の農家民泊宿「久米屋」の蔵サウナとの出会いが大きく影響しています。久米屋に惚れ込んだ長谷川さんは、美山に同様のサウナを作ることを決意。メンバーを募り、建築家・丸山耕佑さんの設計・指導のもと、職人や地域の人々、子どもたちが参加するワークショップ形式で造り上げました。
400℃のロウリュで立ちのぼる蒸気は格別！写真提供：Earthing MIYAMA
丸山さんの掲げる「みんなで作るサウナ」をコンセプトに、職人・子供・大人が集い、近くで手に入る材料やレンガを使用し、ひとつひとつ手積みで制作したそうです。丸山さん曰く、「久米屋を超える最高のサウナができた」とのこと！
ワークショップの様子は久米屋のサイトで紹介されています。
オーナー・長谷川さんの思い
オーナーである長谷川さんは、元々は京都市内で設計エンジニアとして働き、住宅や店舗、商業施設の設備設計に携わってきました。忙しさのあまり、気がつけば毎日を“こなす”ように過ごしていた時期もあったといいます。
写真提供：Earthing MIYAMA
そんな中で出会ったのが、サウナでした。仕事で疲れを感じた時にサウナに入るとスカッと寝られ、自律神経が整うのを実感したそう。
体の疲れを癒すだけでなく、心までも整えてくれるサウナの時間に魅了され、「サウナをもっと深く知りたい」「この体験を他の人にも届けたい」と思うようになったのが、プロジェクトの原点です。
自分自身の生活も見直したいと考え、自然のある暮らしを求めて亀岡に移住。奥さまやお子さんと一緒にのんびりとした時間を過ごす中で、「本当に豊かな暮らしとは何か」を改めて考えるようになったそうです。
好きなタイミングで焚き火が楽しめるのも貸切ならでは。写真提供：Earthing MIYAMA
転機となったのは、岡山県の農家民泊宿「久米屋」の蔵サウナとの出会い。蔵を活かしたサウナ空間に強く感動し、「自分も、こんな場を作りたい」と決意。
サウナづくりについて徹底的に学び、設計士としての知識も活かして、古民家再生とサウナの融合に挑みました。
長谷川さんは地方の古民家を残したい、残せることをしたいと考えていたので、融合は一石二鳥といえます。
敷地内では四季折々の風景を見ることができる
長谷川さんにとって「Earthing MIYAMA」は、「自然と調和しながら、自分を取り戻す場所」。仕事に追われる日々から一歩離れて、ゆったりと自然を感じ、深く呼吸できる…そんな場所をつくりたかったと語ります。
「訪れる人が、自分のための時間をちゃんと味わえるような場所にしたい」
「“大地とつながる”体験を通じて、心身のバランスを整えてもらえたらうれしい」
サウナ愛と、人への優しさがにじみ出る長谷川さんの思いが「Earthing MIYAMA」にはたくさん込められているのです。
日帰りでも宿泊でも！「Earthing MIYAMA」で癒しの時間を
サウナを通して、自然をより身近に感じてほしいと長谷川さんは願う 写真提供：Earthing MIYAMA
南丹エリアの方は日帰りでふらっと、遠方からのお客さんとは宿泊でしっかりと。里山×貸切サウナ×古民家で、身も心もととのうひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか？
information
住所：京都府南丹市美山町板橋堂ケ谷7
電話：090-5015-9978
【日帰りプラン「蔵サウナ＆BBQ6時間（2部制）」】
1部・12:00～18:00
2部・14:00～20:00
平日42,000円～／土日祝44,000円～
【宿泊プラン「蔵サウナ＆ご宿泊」】
平日76,000円～／土日祝80,000円～
チェックイン・15:30〜16:00／チェックアウト・10:00
※いずれも食材は含まれません。また付帯サービスなどくわしくはwebサイトでご確認ください
web：https://earthing-miyama.jp/
Instagram：https://www.instagram.com/earthing_miyama/
食事付き宿泊プランも予定されているとのことで、続報が楽しみです！
