日当たりの良い田んぼの広がる南丹市八木町。田んぼと家々の広がる一角に、櫻井さんの陶房があります。陶芸家の家の友人がいたことをきっかけに陶芸の道へ。山科で一旦陶房を開きましたが、お父様が持っていたという田んぼを宅地にして移転されました。建てる時から陶房つきの住宅にする設計で、随所に工夫がいっぱい詰まっています。
櫻井さんが陶芸を始めたのは日本で焼き物がブームになっていた頃。20代の頃に京都の職業訓練校に通い、陶芸を学んだそうです。そこから作家さんの手伝いをしながら、学校を卒業後三年ほどでご自身の工房を持ったそうです。もともとは他の場所で作陶をしていらっしゃいましたが十七年ほど前に八木に工房を構えました。
工房に溢れる器の道具たちと櫻井さんの遊び心
櫻井さんの工房を訪ねると、たくさんの道具と面白い仕掛けがあることに気がつきます。櫻井さんはご自身で道具の収納を作ったり、作業台を一から作っていらっしゃり、工房には櫻井さんの遊び心が詰まっています。その中から少しご紹介しますね♪
・へら
こちらは器の形を整えるための道具です。ろくろを回しながら器の内側にこのヘラを当てて使用します。器の種類ごとにたくさんのヘラの形があり、櫻井さんはその全てをお手製の収納スペースにきれいに並べています。
・トンボ
こちらの道具はトンボと呼ばれており、器の直径と深さを同時に測ることができ、均一な大きさの器を作る際に使用します。
工房では百個ほどあるトンボは天井から吊るされており、なんとも珍しい光景を見ることができました!
ここでも櫻井さんの几帳面さが出ていますね!
・たたら
この道具は平に伸ばした土を円形に切るコンパスです。同じ大きさの円を何個も作る際には大変重宝する道具ですね。
コンパスが横並びになっている様子を見ると、今か今かと道具たちが出番を待っているようにも見えます。
・たたら板
こちらは土を同じ厚みにスライスするための道具です。櫻井さんは”たたら成形”と”ろくろ成形”という二つの陶芸の手法を使って作陶をしていらっしゃいます。
その中でも”たたら成形”という陶芸の手法は同じ厚さ且つ、同じ大きさの器を何枚も作る手法なので、こちらの道具を使用して土を同じ厚さに切ることが必要となります!
・櫻井さんお手製の作業台
櫻井さんはDIYをよく行うそうで、なんでもご自分で作ってしまいます。
作業台もその一つで、座っても立ってもろくろ作業ができるようにと二つの作業台を作ってしまわれたそうです。
八木町での暮らし
・お庭
八木町に工房を構えてからというもの、工房の広さや家の敷地の広さが広くなり様々なことに挑戦している櫻井さん。
その一つがお庭の手入れだそうです。
きれいに石と芝生が敷き詰められており、生垣やコンクリートの塀で囲まれている櫻井さんのお庭。
これらは全て櫻井さんが一から手入れしたそうで、最初は土が一面にあるだけだったそう。
隣の家から飛んできた紅葉の種が発芽し大きく育ち、今ではお庭のシンボルツリーになっていると話す櫻井さんは本当に楽しそうでした。
・サイクリング
また櫻井さんはサイクリングがお好きで、週末のはサイクリング仲間とご自宅から長岡京周辺をサイクリングするそうです。櫻井さん100キロメートルは余裕で走れると仰っていて驚きました。